こんにちは(7)

なんだか、また道を誤ってしまったようだ。もう一度純粋マッチョのあたりからやり直そう。人間については記号で記述することにした。例えば、○●△▲のように。前半の二つの円○●は、自分の趣味には根拠が無く、逆に見栄はあることを示している。●○なら、自分の持つ趣味は他人の物より優れている/劣っているか、よりレベルが高い/低く、また、そこには見栄の混じりけなど無いという態度を表す。後半の三角△▲は彼が他人の行動についてどう考えがちかについて表していて、彼の場合は白黒のパターンが円と同じだから、他人についても自分と同じ原理で行動していると思っていることを表す。彼は男性なので、最後に♂記号をつける。記号の部分は(性別だって)変化することがあるから頭にAを付加する。ここは変化しない。つまり最終的にはA○●△▲♂となる。
純粋マッチョはX○○で表される。語りえるような根拠はなく、見栄でもないと言い張るからだけども、△△であるとは限らない。他人に関してはその趣味の底に世界の真理を掴んでいる兆候を見て取ったり、背伸びしていると感じて見下したりしうるからだ。しかしこれだけではどうも据わりが悪い。たとえば、俗世から距離を置いている人(孤高の人)などが記述できないか、単にピュアな人と区別できないことになってしまう。これは、あといくつかパラメータを導入しなきゃ上手くいかないな、とA○●△▲♂は考えた。友人のB●○△▲♂とのある作品に対する評価の食い違いよりうまれた諍いからこっち、彼の頭は丸と三角で埋め尽くされていた。友人B●○△▲♂は想像しうる限り最悪の丸三角パターンをもっていた。つまり、自分の価値には神の視点と純粋さを与え、他人のそれからは根拠を奪い取り、まったく歴史と芸術からはほど遠い、B●○△▲♂から見て下らない理由を関連づけたし、そのうえ男だった。つまり、B●○△▲♂はこうして記述する限りその表記だけで邪悪さがうかがい知れるほどの男である。と、A○●△▲♂は思った。しかし、彼はA○●△▲♂の数少ない友人であり、またB●○△▲♂はそのねじ曲がった性根以外ではほぼ全ての面においてA○●△▲♂を上回っていた。正確に言うと、上回っていることに関しては、A○●△▲♂とB●○△▲♂が暗黙の内に了解していた。(B●○△▲♂が最悪な記号の★のもとに生まれついたことに関しては、B●○△▲♂の了解を取っていなかった)
今、A○●△▲♂にとっての世界は全て丸と三角で出来ているかのように思われた。たとえば、Asian Dub Foundation(にわかには信じがたいほどAsian Kung-Fu Generationと名前が似ている)は"It's Brand!!"とブランドを糾弾する歌を歌い彼を応援していた。しかし、今朝確認した所ではその歌は"Roud Up"というタイトルであり、他の部分のリリックを頑張って聞き取ってみた限りでは戦争について歌っているらしかった。彼がブランドだと思っていた部分はそのままround upであった。また、round upの一曲前、"Oil"("We want oil!!"というフレーズが印象的な曲)はガス欠を歌っているわけではなく、これもアメリカの戦争についての歌だった。つまりADFはそういうグループだった。