グラインドハウス見た(ネタばれ注意!!)

夏休み最終日なので、六本木のTOHOシネマズにグラインドハウス(USAバージョン)を見に行ったので感想を書きます……。平日昼でも結構混んでいる……。
グラインドハウス(USAバージョン)は映画二本(PLANET TERROR / DEATH PROOF)と嘘映画予告数本のセットなので、最初からメタ(メタとかいってすいません……)というか、映画の中の出来事を実際に起きていることとして捉えない見方が推奨されている感じがして面白かったです。
======ココからネタバレです======
二本のうちだと、特に『PLANET TERROR』の方がより面白かった(吹けた)のですが、面白かった一連の仕組みを説明します。『PLANET TERROR』の主人公はなにか特殊な過去をもっており、異常に銃器やナイフの扱いに長けています。彼のヒーローぶりに関する面白さ。

  • 街にゾンビ(みたいなもの)があふれ出たあと、あるシーンを境に突然彼の動きだけ壁を蹴って跳ぶなど、アクション映画のそれになる(他の人はホラー映画の動き) / フロム・ダスク・ティル・ドーンのいきなり変わるところっぽい
  • 特殊な過去がなんなのかは、フィルムを一巻紛失したという理由でシーンが飛んでしまうため説明されない
  • 彼が拳銃をくるくる回しただけで、周りの人が「こいつは凄い……」「ただ者じゃないぜ……」みたいなことを真顔で呟く
  • 足を切断されてしまったヒロインの足に義足として銃をくくりつける(ヒロインは銃の反動で大ジャンプしたりする)
  • もの凄いあっけなく死ぬ(死に方は映画的に感動的な感じ)

======ココまでネタバレでした======
デスペラード』で唐突に変な武器を持った仲間が現れすぐ死ぬ、ところの面白さがもっと露骨にたくさん出てくる感じ。『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も、『デスペラード』も相当昔にビデオで見たので当時はそこが笑って良いシーンなのかどうか、で悩んだ記憶があるけど、これは映画映画なので、シーン内に一切それがギャグ? であることを示す記号が存在していなくても安心して笑える。面白かったら笑えばいいじゃん? というのは簡単ですが、笑うことには一定の後ろめたさがつきまとうので、制作者が意図して笑わそうとしているわけではないところで笑うのはなかなか難しく、だから漫才には突っ込みという役割があるのではないか……。映画のシーンにそういう笑って良いよ記号が露骨に埋め込まれていると興醒めではあるから、最初から全体が素直な作りでないことを示すような枠の中に作られているというのは素晴らしいなあと思いました。