自転車のギア比について

クランクが3段、後輪が8段あるので、24段変速という計算ですけど、1段目で発進して最高速に達するまでのあいだに23回のギアチェンジを経る必要があるわけではない……。ここはあまり自転車に乗らない人が誤解しやすいところです。自動車やオートバイでは大抵ちゃんと1速から発進して順々にギアを上げていくけど、自転車はそうでない。これは人間の脚が自動車の内燃機関に比べて低い回転数でもちゃんと力を発揮することの出来る構造になっているからではないかと思う。そういうわけなので、普段は常に24速発進をしている。
24速発進しているということは、走行中一度もギアチェンジしない、ということで、なぜそうなるかというとギアを変えるのが面倒だからです。まれに、橋の入り口などかなり頑張らないと登れない坂ではギアを落とすことがあるけど、頑張れるときは頑張って24速のまま立ち漕ぎで登る。そうすると、ちょっと自分が心配になるくらい動悸が速くなるけどこれはからだからの運動に対する正常な反応なので心配する必要はない。もし、なにもしていないのに動悸が速くなっていたらそれは恋かもしれないので心配する必要があるが……。
ちなみに、坂を登るときはクランクを2段目、後輪を6段目に置いているので多分真ん中よりちょっと重い辺りになるかと思うんだけども、それ以下のギアはほとんど使わない。とくに、一番低いギアにするとどんなに勢い込んでペダルを踏んでもシャカシャカと耳障りな音がするだけで、ただ直進するのにも高度なバランス感覚が要求されるくらいのスピードしか出ないので、いったいこのギアはなんのために用意されているのだろうか、と思う。最高のギア比は常用するほど使いやすいのに、最低のギアは使い道を想像すると大喜利になってしまうくらい使いにくいというアンバランスさが不思議なので、どういうわけでこうなっているのだろうか、ということを考えるわけだけど、どう検討してもおかしいので、もしかすると、僕の脚力が異常なのかも!? と思った。普通の人は余程の好条件(長くゆったりとした下り坂で自分の力を試したくなったとき、など)でしか使えないギア比を軽々踏みこなしてしまう程の脚力がなぜか備わっていた、という……。逆に、異常にバランス感覚が悪いので普通の人なら登山中に歩いている人と併走する際とても便利なギア比が上手く乗りこなせない、という可能性もあるけど……。