会話

今テストでお客さんのところにいってて、そこで聞いた会話。
「私はもうあの人いやなんです。無理なんですよ。だってですね、昨日もですよ……」
「昨日?」
「いえ、昨日じゃないですね、すいませんすいません。金曜です。先週の金曜。パンフレットをね、分けてたんです。すごくのんびりやってるんですけど、何回言っても間違えるんです。五回ですよ、だってね、普通の人だったら五回も言われる前に気付きますよね? 五回言って初めて東北と四国が違うって判ったんですよ? ちょっと普通じゃないんです。だから、あの人は最初から人の話を聞こうとかね、聞くつもりがないんですよ、いまも向上心みたいなのが感じられないんです。」
「いやぁ、でもね、あなた先輩でしょ。そんなこといったって、彼女もね。こっちへ戻ってきてまた仕事するんだから」
「でも今は無理です。ちょっと待ってください」
「ちょっとってどれくらい。一時間?」
「一時間じゃないです。私にとって負担なんです。心が弱いから心に良くないと思うんですよ。これだとまた同じことになります。だって五回言ったんですよ?」
一時間、がギャグ、か嫌味みたいなものだったのか、完全に真剣な、一時間待てば彼女に会う決心がつくと思った上での発言なのかがわからなかった。仕事って大変だなぁ。