花見行った

二時過ぎに着くと既に十数人いて車座でなんか話してるんだか話してないんだかという感じ。Aさんに「痩せましたね」と言われながら輪に入る。Aさんとは体型が安定してからすでに数回会っているけど、毎回、痩せましたね、と言われる。
座るとすぐ、背後で瓶が割れるような音がしたので勢いよく振り返るとJINROの瓶が粉々に砕け散っていた。近くのグループから誤って投げつけられたらしく、突然の暴力イベント発生に場が凍り付く。少し間があってから、「すいませんねー」と言いながらJINROを投げつけた人が来て掃除してるんだけど、みんな事故のショックで無口になっているので、見ようによっては声にならない程の静かな怒りをため込んだ集団のようになっており、投げつけた人も最初はジョーク交えて軽い雰囲気に持っていこうとしていたんだけど、どうも無理だということに気付いて時間が経つ程真剣な謝り方になっていたのが面白かった。
着いて十分も経たないうちに少し雨が降り、撤収しようか、って話が出て初花見は十分で終わりか、と驚いたけど、雨はすぐに止んだから結局日没までいた。途中からはBさんが持ち込んだちっちゃなスピーカにCさんのiPodナノを繋いで曲を流してたのでそれで踊ったりしていた。音は本当に小さくて数メートル離れると聞こえないので、遠目には無音で踊っている集団のようになっておりかなり注目を集めていた。なかでも、Dさんが「恋カナ」(アニメ『きらりんレボリューション』のOP)の踊りを完全にマスターしていて道行く子供の心をがっちり掴んでいるのが羨ましかったので、来年の花見までに僕も何か覚えたい。
桜はまだあまり咲いてなかったけど、良い感じの場所は全部シートで場所取りされていて、通路沿いに切れ目無く宴席とゴミ捨て場が並んでいた。ちょっと離れたところの集団から女性が一人、二人来て何度か話しかけられるんだけど、動機が分からないので、あれはなんなのだ、という話になった。多分、年は僕と同じか下くらいで酔っているのか奇妙な身動きをする。Eさんの人生経験を踏まえた推測によると、「女性から話しかけられるのは投票依頼か、最終的に絵を売りつけられるかのどっちか(二択)。時期的に考えると投票依頼の線が強いか」とのことで、どっちだろうねぇ、という話に。Fさんはそれを聞いて、「どんな人生ですか!」と言っていた。僕はとても美味しい2万円くらいのジュースを売りつけられるんではないかなぁ、と思ったけどそれも違った。結局なにが目的だったのかはよく分からないけど、それは先手を打って党派的な集団で花見に来ています、と嘘をついたから話が切り出せなかったのかもしれない。その場合は、やはり投票の依頼だった、という結論になります。