オタ芸について(1) / オタコミュニティーについて

オタ芸とはコンサートやイベント会場でファンが取る一定の様式に則った所作で、主に集団で行われます。オタ芸問題はハロプロ関連の話題の中でもストーカー問題、解雇疑惑問題、青空の十人問題などに並ぶ、特にデリケートなもののひとつで、これに対する態度が彼我で食い違うとまったく意思の疎通が出来ないレベルの溝(キャズムキャズムアスキーアートとして使用しています)となる。私見ですが、ネット上ではオタ芸に反対する立場をとるほうが安定しているといえるようです。オタ芸とはいってもすべてのオタが行うわけではないということです。私はオタですが、部屋で一人オタ芸の練習をすることはあっても、公共の場でそれを披露することはまずありません(ここで私は オタ == 熱心なファン、というくらいの意味で使用していますが、オタ == オタ芸を打つ連中 という意味合いで使用される場合もあるので注意が必要です)。
オタ芸について正確に理解するにはまずファンがそれぞれ完全に独立して活動しているわけではない、ということを理解する必要があります。集団でオタ芸を打つファンが団結して行動しているのはもちろんですが、それ以外のファンでも単独で行動する方は比較的に少ない。何らかの経緯で一人知り合いが出来ると、そこから芋蔓式に知り合いが増える。そうしてうまれた緩やかな集団はやがて命名されそれぞれに独自の前提と文化を持つ集団が出来るわけです。これは私の推測ですが、mixiの登場によってこの傾向はキックされたみたいに加速されました。ゆるやかな集団がmixiでコミュニティーを作成する際、そこでは必然的に命名を要求される。それまで漠然と"コンサートに行くと何故かいつもいる人達"であった集団に名前がつく。そうして出来た集団は合併や離散、移籍、引き抜きなどを有機的に繰り返しながら長い時を存続する。これは誇張ではなく単純に事実であり、ハロプロ界隈には優に三百人を超える同盟員を誇る同盟もあれば、数多の精鋭を誇る軍団も存在しているのです。
私自身も、ある集団に属しており、その集団はまたさらに大きな集団の一部です。成立の経緯からすると、まず私が直接所属している集団がインターネットの持つ底知れない力によって形成され、その後、周辺の集団とより発展的な協力関係を築くために上位の組織が明確な意図の元に生成されました。
ハロプロファンは非常に多く存在するため、通常レベルの記憶力しかもたない場合、何の手がかりもなしに全ての固体を認識、把握するのは困難です。ですから、現場で誰かに紹介された場合は、自分の立場を明確にするため、すべての所属を正確に全て名乗らねばなりません。(もしあれば)自分が所属する現場系の集団、はてなのID、mixiニックネーム、このほか、2chネラであれば主に活動している板(羊/狼/鳩)、常駐しているスレ、コテハン、よく利用するアップローダなど、全て。人によってこの名乗りは非常に長くなる。自分の場合は、正式にオタ名乗りをあげると次のようになります。「関東広域キッズ系ハロプロファン集団One Nation Under the Kidsが一角、℃界隈(仮称)でお世話になっている、津田と申します。はてなでは中島早貴さん激単推しサイト視基aBの管理人をid:K2Daとして勤めさせていただいています。mixiでは津田K2Daを名乗っています。誰々さん(通常は仲介者)のマイミクにいますのでよろしくお願いします(最後に誰々のマイミクです、と必ず付け足すのは友達多いぞ自慢ではなく、相手に探して貰いやすくするためです、が、大抵の場合は無駄な行為に終わるでしょう)」
もちろん名乗れば覚えて貰えるほど甘い世界ではないので、それを補完するために名刺が利用されています。一般的には、背景に推しメンの画像、ハンドルネームとサイトURLを記載するようです。推しメンの画像を背景にするのは、相手の推しメンを把握していないと偶発的に恐ろしい行き違いが生じる危険があるためです。名乗り終わって名刺を交換する際、もし先に目上の人に先に名刺出されてしまったら、「遅れまして申し訳ございません。」と断って受け取り、すぐに自分の名刺を差し出します。名刺を同時に出してしまった場合は目上が受け取るのを待って、相手から貰うようにします。同格の者同士が名刺を同時に出した場合は、右手で差し出し、左手で受け取るようにします。遠慮しあっていては交換に時間を費やすだけで、雰囲気を壊してしまいます。万一、名刺を切らしていたり、忘れたりしたら、丁重に非礼をわび、次回に改めて渡すことを付け加えます。ビジネスマンが自分を相手に知っていただく重要な名刺を切らしたり、忘れたりすることがないようにしましょう。