アイドル道徳について(7)

K2Da2006-09-20

厨という接尾辞を利用して、独自の蔑称をお手軽に造ることが出来ます。あまりにもお手軽なので、乱発され気味です。良く使用されるものだけ挙げても、転売厨、最前厨、グッズ厨、写真厨、ボード厨、反応厨、レス厨、などがある。反応厨、レス厨はほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、反応厨は観客の行動に対する(無意識な)反応を引き出すことを至上の喜びにしているのに対し、レス厨はこちらからのメッセージに対する、指向性のあるレスを受け取ることを至上の命題にしている、という違いがあります。あります、と言うか、あるかどうか知らないですが、そういうニュアンスを僕が勝手に感じ取りました。一見似た言葉の持つ微妙な差異にはこれからも敏感に反応していきたい。他にも、「推し替え(推し換え)」と「推し変え」は今まで割と無造作に、ATOKが先に候補として"こっちにしたら?"と提案してきたものをよく考えずに受け入れてきましたが、以降は明確に使い分けていきたい。「推し替え」という言葉からは、「推し」というポジションが先にあってそこに入る人物が入れ替わる、言葉は悪いですが、メンバー間に推しメンとしての代替可能性を認めつつ一定の距離を取ってハロプロと付き合う、という強い意志を感じます。逆に、「推し変え」という表記からは、変わるのは自分の心であって、いわゆる恋愛文脈の心変わり、に近い印象を受ける。こちらはメンバーそれぞれがその人性(その人がその人であるという性質)を備えてどこか遠くに浮かんでおり、何故かある方向から強い重力を感じる、と言うようなイメージです。しかし、今は、どこから重力を感じるかが変わる、と言う話をしているので重力はあまり適切な喩えではなかったかも知れません。重力は突然増えたり減ったりしないからです。まぁ、そういうファンサイト的な気分を表現したいときに推し変え、とゆいたいです
話が逸れました。厨というのは厨房/中坊の略で、中坊とは中学生のことです。だから、"厨"はなんにでも付けられるわけではない。ある行為に一定の魅力を感じる(自分が中学生だったらそれを躊躇無くやり遂げている)が、なんらかの大人の判断が働いてそれを我慢している、場合に、その行為に踏み切る人物に対して厨と言う蔑称が贈られる。チケ転売して儲けたいし、コンサートは最前で見たいし、グッズは全部そろえたいし、写真は持ってない物ほどかわいく見えるし、ボードで自分の日常をメンバーに直接報告して、それに対する反応やレスが得られたら最高だ。ヲタ芸は別にしたいと思わないし、自分が中学生だったとしてもヲタ芸を嬉々として打ったとは到底思えない。なので、ヲタ芸厨とは言わない。
そうしてみると、つまり厨と呼ばれてしまうような行為は、何らかの理由で現場において抑圧されている、といえそうです。厨を巡る言葉を観察することで、現場における道徳を考えることが出来るのではないか。次回からはそこに迫りたいと思います。ここは同じことを何回も書く日記です。