津田
今日会社で面白い事があったので普通に日記を書きたいですが今の空気を大切にしたいので書きません。
津田
このままずっと日常、現実と切断された日記を書きつづけるのもいいかもしれないと思っています。私はなんだかんだいって常に日常に依拠した日記ばかり書いていました。この「日常」が意味するものは、単に身の回りに起こった出来事だけではありません。その日私が接したあらゆる情報(私が本当に接する事が出来るのは情報だけですが)、情報全てです。日々のインプットに影響されずに日記を書くということです。このような日記では日付は重要な意味を持ち得ません。単に記事が現れた時期を示す時間軸上の目印、という役割すら奪ってしまいたい。これは実現しようと思ったらば未来の日付で日記を書くなどして簡単に実現できますが、後で修正するのが面倒なのでやりません。
津田
日常と乖離した日記を書き続ける事によってまた真の日記書きに一歩近づけるような気がします。真の日記書きがどのような存在なのか今の私にはその爪先すら見えない状態ですが、その定義から真の日記書きはあらゆる要素を含んだ日記を過去に経験しているはずです。その中には完全に個人、時代から遊離してしまった日記なども含まれるはずですから、自然、私はそのような日記を書いてみる必要を抱えています。
津田
ちょっと飽きてきました。初心に返って対談相手でも考えてみます。六日目で既に話題がループしています。これは単なるループではなく上昇する螺旋だと信じたいです。女性などという全く理解不能なものの象徴を相手にするのは無理がありました。逆に私の中から男性性だけを取り出して対話相手にしたいと思います。その名も猛夫です。「津田」が姓なのに、「猛夫」が名であるのは、いざと言うときに実は「津田猛夫」という一人の人間であった、という叙述トリックで煙に巻くためです。
津田
猛夫は純粋な男性性から成っているので、「津田」はその部分を欠く事になります。つまり、去勢された僕、が「津田」という事になります。勘のいい人は気付いているかもしれませんが、「私」と言った場合は「津田」の一人称、「僕」といった場合は日記を書いている僕の一人称です。
猛夫
こんにちわ!
津田
ここに居る猛夫はその身の丈、天を衝くほど、約3メートル、黒い瞳とよく手入れされた長くてこれも黒い髪。筋肉質で膂力に優れ、あごが長いなど超オス的な特徴を有します。その分知能はかなり制限されており、会話能力は早熟な三歳児程度。口癖は「怒張が収まらねぇ」。とても明るい性格で人懐こく常に楽観的、気分屋ですぐおもちゃに飽きるが、好奇心旺盛なため一人でも退屈する事がなく、その場にあるもので新しい遊びを考え出すなど創造的な一面もあり。との事。