反応時間の外部化について
乗っているだけで小学生が感嘆の声を上げる格好いい背もたれ付きの自転車に乗っているのですが、今日また警察官に止められました。メーデーなので取り締まりが強化されているのかも知れない。その警察官はかなり友好的で、警察に止められ慣れている僕が速攻で防犯登録を見せようとすると"あぁ、もういいですいいです"といい、自転車の値段を聞いてきました。警察官は絶対にものの値段を尋ねる。そして、"ちょっと乗って良いですか?"と僕に確認してから自転車にまたがり、"ほぉーこれはこれは……"というような表情をしていました。そしてすぐに解放されました。昔は財布の中まで調べられたのに、大人になったからでしょうか。財布に入れていたコンドームが日の目を見たのはその時だけです。
さて、まず、先行入力が利くので反応時間がダイレクトに結果へつながるわけではない、ことについて説明します。これがあるから単純な反応能力勝負にならない、ということの説明。格ゲーにおいて、キャラクターはいつでも自由に動けるわけではなく、どちらかというと動けない時間のほうが多い。自由に動けないのは技を出した硬化時間中だったり、ガード硬直中だったり、ダッシュ硬直中だったりするからです。これらの時間に入力されたコマンドが実行に移されるのは、硬直が切れた後です。硬直が切れるまでに入力が終われば硬化時間後最速で技が出る(こまかい制限はシステムによって違うがおおまかにいうと大体同じ、だと思う)。重要なのは硬化時間内に入力を終えられたかどうか、なので、反応が速ければ速いほど良い結果につながるわけではない。確定反撃が存在する技をガードしたあとに反撃をきっちり入れられるか、なんてケースがこれです。行動のきっかけになる出来事が発生してから一定フレーム内に反応できれば、最善となりうる選択肢のうち一つを選択したことになる (最速でない行動はたいてい最善たり得ない)。
状況に対する慣れでなんとかなる、という話もよく聞くんだけど、そもそも完全に意識していても間に合わない場合は無理。僕はジャン・リーの6PPをガードしてから7フレーム投げが入れられない。攻略本にはきちんと確反をいれないと出され放題になる、と書いてあるが出来ないものは出来ない。仕方ないので最速中段 13フレームを出したりするわけだがそれすらPに負ける。ジャン・リーのPは10フレなので、僕は最低でも後4フレームは速く反応しないと確定の投げを入れられない。どんだけ反応が遅いのかって話。
別の例を出します。DOA4にはクリティカルと呼ばれる状態がある。他のゲームだとよろけと言われてるものに近いんだけど、よろけ側には全キャラレバガチャ回復と中下段のホールド(当て身投げ)という選択肢が用意されている(本当は上段ホールドとか、あえて回復しないとかいう選択肢もあるんだが面倒だしあまり使わないと思うので省略。攻撃側も同様)。攻め側はレバガチャには速い浮かせ技、ホールドには属性の違う打撃か、属性のあう投げを入れる。基本的には攻撃側大幅有利な2択 + αです。で、僕が相手をクリティカル状態にした場合は、最大ダメージの投げか、適当にPK振り分けた浮かせ技をその時の気分で出すわけです。
この局面が完全に読み合いのみで成立しているのなら、私が使用している選択肢は最善の選択肢群となっているはず、なんだけど実際は違う。出来る人はホールドの空振りを見てから投げが入れられる。そういう人は少し待ってホールドの空振りを見たらハイカウンター投げ、ホールドしなければ打撃で攻めなおしということが出来る(らしい)。これをやられると最速ホールドはまったく使えない選択肢になってしまう。まぁ実際それをやってくる人には遭遇したこと無いんだけど。出来るといっている人がいた。ランクでいうとはるか上のほうの話なので実際出来るんだろうと思う。フレームでいうと、上、中段ホールドが30フレーム、下段ホールドが27フレーム。立ちには7フレーム投げ、しゃがみには5フレームの下段投げを使うとすると、猶予は大体22フレーム、0.36秒前後だ。アンケートの結果とフレーム数だけ見ると誰でも実践できそうだが、ホールドした瞬間にキャラが黄色く光ったりするわけではないし、立ちしゃがみの判断もせねばならんので、実戦では僕は一度も成功していない。
かように、実際は自分の能力に問題があるとしてもその結果は選択肢の数として外部化、環境化されて認識される。勝負の本質が読みあいにあると考えた場合、取りうる選択肢の数が違うとなるとこれはもう別のルールでゲームをやっている、あるいはこっちだけスターターキットのデッキで勝負しているようなもので話にならない。俺にもブルーアイズホワイトドラゴンをよこせ! 許せん! 不公平だ!となる発想も理解できる。人に言って納得してもらえるかは別の話だけど。
自分が弱いのを嘆いていても仕方ないので、私はもっと前向きに、格闘ゲームについてはあきらめて、カルドセプトの練習を始めています。 Xbox360版が出るのはまだ先の話なので、PS2のセカンド エキスパンションで自主錬中です。カルドセプトも突き詰めると何百種類もある画像とカード能力を完全に結び付けて暗記し、なおかつ相手の手札と、出来れば山札まで常時把握し続けるという超人的能力を要求されそうな気はする。私は本当に簡単な漢字も書けない、人の名前はぜんぜん覚えられない(はてなIDは覚えられる)、画像の認識能力が低い、色弱、自分が書いた日記の内容を覚えていない、など記憶力その他全般の処理能力にも多大なチャレンジを受けており、計測したことは無いですがおそらく脳年齢もかなりのレベルに達しているため、半年後に記憶力の外部化について、というエントリを書くと思います。こちらは外部の記憶力(メモなど)を利用してカルドセプトに勝つ、というライフハックライクなポジティブエントリにする予定です。