6.1

投票について書こうと決意したその日(参議院選の前々日)について正確に思い出してみようと思う。その晩いつものように快調なはてなサーフを楽しんでいた僕はやけ不在者投票(期日前投票)についての記述が多い事に気付いた。しかもその内容は一様に不在者投票手続きが簡単になったこと、そして不在者投票にいった事、についてのみを話題にしており、前に書いたような様々な理由で投票した事を聞かされるのが嫌いな、(というか嫌いな理由を考えたところあのような理由を思いついた)僕はこの時点で何かはてなに挑発されているような気すらして来た。(しかし勿論日記にその日の食事内容を書いたりするのと同様に投票した事を書くのも自然な行為である。食事の詳細にすら触れず、「朝起きて朝飯を食べた」で終わる日記は(普段から朝食をしっかり摂っている方の)日記では流石にあまり見かけないけれども、投票は食事よりも実行される頻度の低い行為なのでそれだけで日記に書く意義がある! また、僕は投票に関するのとほぼ同様な理由で読んだ本のタイトルのみが記してある場合にもムラムラするのであり、僕はこれを備忘録問題と呼んでいる。備忘録問題とは、"自分は自分の日記、Blogを備忘録として記述しているのであり、それを他人に読まれた場合の事、有用であるかどうか等、については第一級の問題にはしていない、とする日記/Blog作者(備忘録記述者)について、それを本人が意識しているかいないかに関わらず事実と異なる、嘘なのではないか、と僕が疑っている事"に関する問題。)
今思えばここで就寝していればよかったのだがその日は何故か気分が高揚していたので普段は見ないような方面のサイトをうろうろしていたらやはりどこでも選挙が話題になっているらしく、あるBlogでは以下のようなコメントを見かけた。「例え白票でも投票所まで足を運んだという点を評価したい」「先人たちが命をかけてまで勝ち取った権利を無駄してはいけません」「今回棄権した人は将来日本がどうなっても文句は言えませんよ^^;」おまえになんか評価されたくねーんだよ、あほかぁ! なんでその顔文字は笑ってんだ! このブロガー共は投票に行った事の無い俺を口を極めて罵っている、しかも荒唐無稽な理屈で!! なによりも気に障るのは良く考えれば投票に行くのは当然である(投票に行かないのは何も考えていない証拠)という態度をとっているくせに、自分がそう思う理由を説明しない点だ。何の説明も無くただただ投票しろと言うのは大学時代のあまり親しくない知人が部活動感覚でいきなりある党への投票を依頼する電話をかけてくるのと同程度、いや、依頼でなくなかば脅迫、しかも内容がより曖昧になっている点などは数段劣るのでより悪い行為であり、あー、ほんと最悪だ、と思いそのままだと部屋にある色々なものを殴打して壊してしまいかねない気分だったので、精神状態の安定を図って半ば習慣となっている深夜の散歩*1に出発した。
普段なら散歩中は気分が落ち着くのだがその日は投票の事が頭からはなれなかった。仕方ないので、架空の投票強要論者を想定し、彼の"投票するべきである理論"に存在する矛盾点を片端から喝破して論破して論難してやった! 彼は僕の想定範囲内でしか喋らない、非常に腰の弱い論者なので連戦連勝であり、散歩を開始したときは最悪な気分だったのが大分回復し、帰宅する頃にはむしろ全能感に満ちた状態にまでなった。
しかし、無論僕の勝利は架空の勝利であってこれをそのまま放置しておけば僕は選挙の度に同じことを繰り返す事になるだろうから、僕はこの経過をどうにかして固定化し、事実としなければなら無い。それが他人の目に触れた時初めて僕の復讐は完成されるであろう……。

*1:一昨日は散歩中にベッドを拾った。ベッドはほとんど必要が無い上にかさばる駄目な家具だと思っていたが、使ってみるとかなり便利