日経サイエンス 2003/08

やはり七月の第二短編集発売に向けて今グレッグ・イーガンブームが静かに巻き起こりつつあるようだ。日経サイエンス8月号にMax Tegmark(男前)の「並行宇宙は実在する」という記事が載っているんだが、その中でもグレッグ・イーガンの「順列都市」が紹介されている。紹介されているといっても

存在しうるすべての状態があらゆる瞬間ごとに存在し、時間の経過はそれを観察することによって実感されるのかもしれない。

という考え方が出てくる小説として紹介されているだけですが。「順列都市」の中核をなすアイディア、「塵理論」が理解できなかった人(俺)にはこの記事はいいかもしれません。
僕はこの記事を読むまで並行宇宙といえば、SFにもよく出てくる分岐していく世界、エバレットの多世界解釈を指すのだと思っていましたが、この記事ではそれはレベル3マルチバースとして扱われてます。ちなみにレベル4マルチバースまであって、レベル4マルチバースは窮極の並行宇宙で、その位置や宇宙論的な特性、量子状態が異なるだけでなく物理法則までが異なる宇宙だそうで。レベル1マルチバースは単に離れたところにある宇宙で、それは別の宇宙じゃなくて、この宇宙が観測できないほど広いってことじゃないんだろうか?とおもったんだが、どうも違うビッグバンで生まれた物質は同じ空間に存在していても違う宇宙の物質として扱うらしい。