リアルさについて

物語の設定がリアルかどうか、についてはあまり興味はないし、現代を舞台にしているのであればリアルでなければないほど面白そうだな、と逆に思うくらいだが、人物の行動や心情があり得そうもないと思えてしまっては物語を楽しむのを阻害されるのでは? 突然、ゾンビが現れるようになった世界で、ゾンビに対して人間がどう反応したら自然なのか、というのはよくわからない。ゾンビが現れたことはないからです。

危機に瀕した人間が取る行動がリアルかどうかについては判断可能だが、あり得ないこと、ゾンビが現れること、に対してどう反応するのがリアルであるのかは判断が難しい。あり得ないことが起きている場合に人間がどう対応するのか観察することは出来ないので、と思っていたのですが、最近、あり得ないことに反応する人間を見ることが出来るTV番組があることを知りました。モニタリング、という番組です。この番組では、タクシーの助手席に幽霊を登場させたり、妻を全く知らない別の女性と入れ替えて、人がどう反応するか観察している。その際、タクシー運転手や他の家族の協力を得ているため、観察対象はまさにあり得ない事態、タクシーに自分しか見えない幽霊が乗っていたり、妻が全く知らない他人に入れ替わっているが他の家族は普段通りに振舞っている、という状況に遭遇している。その反応を見ていると、割と普通に適応しているな、という感じで、めちゃくちゃな事にはならない、あり得ないことが発生しても、あり得ないことが連鎖して行ったりはしないのだ、ということがわかり、がっかりする。