SM問題について

ドMとかドSという言葉が流行って以降、「SかMかでいうとどちらですか?」と訊かれる機会が以前に比べて増えました。僕はどちらでもないのですが、嘘でもどちらか言った方がいいのかな? と思い、気分でどちらかを答えています。どちらであるかを答えたら、関連する嗜好や、普段とりがちな行動を続けて述べるのが自然な会話というものです。しかし、僕より先に"Mです"、と質問に答えた友人は、そういったものを付け足しませんでした。なぜなら、彼は僕の膝の上に座った女性に股間をガンガン踏まれている最中で、特別説得力のあるエピソードを付け加える必要がなかったからです。
女性が接客するタイプの飲食店には人生で二度しかいったことがありません。SM問題は二度目に訪れた時に発生した問題ですが、初めて訪れた時もすごく楽しかった。すごく楽しかったといってもスパ4と比べたら同程度、かかるお金は段違いなので、自ら進んでいくことは今後もありません。今後もありませんが、二回とも楽しかったということは、ここにまとめて記録しておきたいと思います。
一度目は、昨年中国へ出張している際にいったお店です。形態はなんといえばいいのかわかりませんが、カラオケのあるスナックでしょうか。片言レベルで日本語のできるホステスさんが相手をしてくれます。三時間くらいいましたが、最初の一時間は片言の日本語で映画版ブリーチのストーリーを説明してもらっており、あとの二時間は三つふったサイコロが10以下か、11以上かを当て、当たったらホステスさんがお酒を飲む、ハズレたら僕がお酒を飲む、というのをひたすらやっていました。こうして説明されてもなにが楽しいのか全くわからないと思います。一緒に行った同僚は以前にもいったことがあり、なにが面白いのかさっぱりわからなかった、と言っていたので、向き不向きがあるのかもしれません。その同僚はあまりにも退屈だったので、せんだみつおゲームを流行らせようと一生懸命ルールを説明したのですが、なぜか向こうの方は異常にせんだみつおゲームを嫌がるため、少しも普及しませんでした。ただ、また別の同僚が考えた新しいジャンケンはよろこんでやっていたため、新しいゲームを覚えるのが嫌いなわけではないと思います。
二度目に訪れたのはついこの間で、店の形態もはっきりしており、おっぱいパブです。こちらのお店に行ったのは不可抗力でなく、断ろうと思えば断れたため、入店する前は相当ナーバスになりました。直前まで、パラパラをやっているひとの隣で適当に真似をして踊るのが相当楽しく、一人で興奮していたのですが、店のドアの前へきて急激に不安になりました。なぜなら、僕の一番苦手なことが人と話をすることであり、いまからそれをしなければならない、ということに気付いたからです。しかも、相手が胸部を露出しているという異常な状態で、です。結果的に言うと、露出が会話の進捗に支障をきたすようなことはありませんでした。そのお店の女性は、聞けた限りでは年齢が20-22歳前後、なんというのかわかりませんが、いわゆるギャル系のメイクや髪型をしている方々でしたが、プロなので話をあわせてもらえました。一番印象に残ったのは、ニコニコ動画が大好きな女性で、彼女はマクロスやスパ4の話題にも対応できるという幅の広さであり、僕が「すごいですね、神様みたいですね……」というと、「上の世代ははっきり(オタクとそうでない人?に?)わかれてたじゃないですか、でもうちらはどっちともイケる人も結構いるんですよー」と言っていました。ちなみに、この頃には僕のコミュニケーション能力は限りなく0に近づいていたのでほとんど「神様みたいですね……」を繰り返すだけになっており、会話は主に友人が司っていました。あと印象に残ったのは、というかちゃんと覚えているのは、名古屋のクラブについて教えてもらっている時に、「あそこはうちらより若い子しかいない」と言ってる当人が20歳だったことです。
SM問題については、上手く答えることができなかったので、今後は友人に倣うことにします。つまり、説得力のある状態を引き起こしながら同時に答える、という手法です。ただ、咄嗟に股間を踏んでもらうのは、かなりトンチをきかせる必要があるため、twitterでの助言にしたがい、「Mです」と答えた後、手斧で手首を切り落とすことにします。一回しか使えない上に、手斧で手首を切り落とすのがMであるかどうかについては確信が持てませんが……。