新しいコミュニケーションを考えたよ

僕は滅多に人と遭遇しないレア人間なのですが、最近二度ほど人に会う機会がありました。そして気付いたのですが、最近の人はずっと携帯でtwitterをやっている。食卓や焚火を囲んで車座になった男たちが全員携帯電話を覗き込んでいる。そういうシーンに遭遇すると反射的に「女子高生のグループみたいですね」と言ってしまいます。同意されたことも、おもしろい、と評価されたこともないけど、かならず「女子高生のグループみたいですね」とつぶやき、あ、また言ってしまった、と思う。その間も、男たちはtwitterから漏れてくる呟きに、静かに耳を傾けている。もし、それが車座になった男たちではなく、車座になった女子高生グループだったら、twitterではなく、携帯メールか、サンシャイン牧場をやっているはずなのであり、「うちらのグループでも、たくさんの野菜を作らへん?」というメールの内容は相手に直接返答を要請するものです。twitter上のつぶやきは基本的に返答を必要としないので、ここが、もう全然違う。応答を要求するメッセージとかは面倒すぎて全然発することができないけれど、twitterはそういう面倒さが発生しないので素晴らしい(念のために断っておきますが、これは、面倒なので私に対して私信を発するなよ、というメッセージを含んだ日記ではありません。メール大歓迎です。メールアドレスは→→ id.k2da(atmark)gmail.com ←←です、よろしく!!)。
リアルコミュニケーションもそろそろこの方向へ発展する必要があるので、具体的にどうすればいいか考えてみました。たとえば、僕が食卓で好物の目玉焼きを食べているのですが塩が無い。対面に座っている未知の人物は、手元に味塩を抱え込んでいる。どうしてもその塩が欲しい。直接的に依頼すると、「その塩をとってください」であり、相手は、従うか、断るかの二択です。
もう少し遠まわしにすると、「あなたがその塩をとってくれると嬉しいのですが」であり、相手としたら「なんでどうなったらお前がうれしいかなんて情報を俺につたえる必要がある?? あれ、ひょっとしたらこれは塩をとってくれってこと!?」という推測の結果、塩をとってくれるかもしれない、というのも今は昔の話で、実際には「あなたがその塩をとってくれると嬉しいのですが」といったら依頼としか解釈されない。従って、言いにくい。
もっと相手に無視されても自然な言い方をしたい。「あの塩が勝手にこちらへ飛んできたらとてもびっくりするだろうなー、今、丁度、塩が欲しかったところだから少しは嬉しいだろうけど……、いや、でもやはり驚きの方が大きいな……」みたいな。これはもう完全に独り言なので相手が反応する必要はありませんが、塩が欲しいという欲求は伝わるので塩をとってくれるかもしれません。理想的です。しかし、普段から独り言を口にする習慣をつけておかないと若干不自然かもしれません。そこでtwitterの登場!! 携帯用の小型LED電光掲示板でも額につけて、twitterの発言を常に表示しておき「塩が欲しいナウ」とか呟くようにすれば! この方法が素晴らしいのは、不自然な独り言とは違って、世界中の人に「塩が欲しいナウ」と伝えたいがために「塩が欲しいナウ」と呟いたら副作用として対面の人に塩に対する欲求が伝わった、というところです。しかしながらこの手法もいずれは直接的な依頼と解釈されるようになるでしょうから、また別の、婉曲された依頼を相手に伝える手法を考えなければなりません。そうやってどんどん遠ざかっていく。相手は死ぬ