私の勉強方

陽気なアメリカ人のように振舞えたら……。実際のところ、気質的な問題を重視しているわけではありません。おもには、アメリカ人のようなユーモアのテクニックを身につけたいという願いです。
結局、絶対的な分量が足りないのであろうという結論に達しました。アメリカ人と接する機会はほとんどなかったし、"陽気な"アメリカ人に絞ると、街ですれ違った事さえ一度もないというのが実情です。
そこで、『フレンズ』を一年で1000時間見る計画を立てました。計画を立ててからまだ3週間ほどですが、目標達成は到底無理なペースでしか実行できていません。視聴時間は累計40時間台半ばです。このままでは、一年で600時間程度が限界です。シーズン1を3周、シーズン2の途中までを2回見ました。『フレンズ』を選んだのは、とても面白く、かつ、アメリカでは知らない人がいないくらい有名らしい、という噂を耳にしたのと、廉価版(ソフトシェル)のパッケージが更に半額で売られている、という経済的な事情からです。それでも、全巻購入すると結構な額になりますが、1000時間見ようと思ったら他の娯楽はほぼ全面的に断念せざるを得ないので、一年間の娯楽費だと考えればそれほど金銭的な負担は大きくないと言えます。
『フレンズ』は1話大体23分弱、1シーズンが24話、全10シーズンあるので、23分 * 24話 * 10シーズン = 5520分 = 92時間。1000時間見ようと思ったら11周ほどする計算になります。今はまだ多くて三周程度なので楽しく見ていますが、正直十周目を素直に楽しめるかどうかには自信がありません。もし飽きてしまったら、僕の『フレンズ』とあなたの『24』を交換してください。
『フレンズ』には男女3人ずつ、6人の主役がいますが、男ではチャンドラー、女性ならフィービーが好きです。『フレンズ』好きな方のプロフィールを見ると絶対に好きなキャラクターが書いてあります。チャンドラーは面白い、フィービーは可愛い、というのが、僕の、好きな理由です。チャンドラーは、企業の会計システムに携わる仕事をしていたり、パソコンを購入していたり、男子校出身でモテなかったりするところにも共感が持てます。ただ、モテないといってもマンハッタン基準なので、第2シーズンの中盤までで既に3人程とつきあっています。
肝心のユーモアに関してですが、いわゆる小話のようなアメリカンジョーク(死んでるかどうかわからないので、銃で撃って確かめた、という類のもの)はほとんど出てきません。僕の想像していた、アメリカっぽい笑いは期待通りでした。一番アメリカっぽい! と思ったのは、もちろん、精神医療関連です。ジョーイ扮するフロイト精神分析を歌い上げる劇中劇(第1シーズン6話)もよかったですが、フィービーのボーイフレンドとして登場した精神科医のロジャーが最高でした(第1シーズン13話)。とても面白いジョークを連発するチャンドラーに対し、絶賛しつつも、

ロジャー
君は対人関係に問題ありだ。冗談を言って人と距離を置いている。初対面だが境遇はわかる。一人っ子だろ? 思春期前に親が離婚
チャンドラー
なぜわかる?
ロジャー
定番のケース

これは面白い。書き起こしで伝わるかどうかわかりませんが、実際に見たら爆笑します。チャンドラーはこの指摘を気にしていたのか、それとも一般的な見解なのかはわかりませんが、第2シーズン13話で、学生時代のいたずらを指摘された際に、

チャンドラー
当時はユーモアを防衛機構(defense mechanism)としていたが、ありがたい事にもう克服した

とも言っています。この辺りのジョークは明日からでも利用できそうです。通じるかどうかはわかりませんが……。
すごく陽気な、ファン・ボビーが実は常に飲んだくれていただけのアル中で、禁酒したらすっかり暗くなってしまうなど、アメリカな感じのする面白エピソードは他にも多いです。脈絡ないですがそのほかに面白かったシーンを列挙します。
第2シーズン8話。自分の発案で女性二人の短所・長所をまとめたリストをPCで作っていたのに即座に飽きて、

チャンドラー
DOOMやらない?

第1シーズン12話。

レイチェル
本物の恋よ。ダニエル・スティールの小説みたい。

面白かったシーンを探すのがとてつもなく面倒な事に気付いたのでもう止めます。フィービーが疑わしいものの一つとして、進化論を挙げ、ロスがそれに反論して、空気や重力みたいに当たり前のことだ、といったら、フィービーが重力も疑っていたと言うシーンが面白かったです。他の五人は進化論を当然の事と受け止めているようでした。