Grand Theft Auto IVについて

俺はニコ。戦争で心に深い傷を負った男。そこで腹を撃たれて苦しんでいるのは、いとこのローマン。という感じで、Grand Theft Auto IV日記を書こうと思っていたけど書けません。なぜなら、字幕を表示しても会話が理解できず、ストーリーが完全には追えていないからです。このままでは、ストーリーのかなりの部分を想像で補完して日記にしなければなりません。このように、完全には理解できない言語で展開されるゲームをプレイする場合、キャラクター自身も異邦人であると思い込んでリアリティを確保するという手法をよく耳にしますが、Grand Theft Auto IVにはうまく当てはまらないように思います。確かに、主人公のニコはヨーロッパからアメリカに来たばかりで、英語を母語としていませんが、そのせいでコミュニケーションを苦痛に感じた結果、部屋に籠もりがちとなり、俺は非コミュだろうか、と思い悩むどころか、暇があれば外をぶらぶらして主体的にアメリカの闇である地下社会と関わりを持とうとしているし、なにより、ニコが時に漏らすニコ自身の過去が全く理解できないので、自分自身を英語がよく分からないバージョンのニコだと思い込むのは難しい。ニコの周囲で起こっていることはよく理解できないが、彼に取り憑いて行動を操る一種悪霊、大司令症候群のようなもの、とでも思い込めばよいでしょうか。
GTA IVをわざわざ英語でプレイしているのは、まだ英語版しか発売されていないからです。とても有名で、発売前から期待されているゲームが日本語でプレイできない(時期がある)というケースが身近に発生しており、XBOX 360ユーザである僕にとっては、The Elder Scrolls IV:OBLIVIONBIOSHOCK、今回のGTA IVなどがそれに当たります。これらは、いずれも、英語版が発売されてから暫くして、日本語版が発売されるか、発売される予定になっていますが、ギャップはかなり長い。しかし、だからといって日本のユーザが不遇であるとはいえない。(普通のゲームショップには入荷すらされませんが)アジア版を購入すれば英語でプレイすることはできるし、たとえ数ヶ月遅れでもわざわざローカライズされたバージョンがプレイできる可能性があることは素晴らしい。
アジア版、かつ、ある程度ストーリーを追う必要があるゲームを購入するのは、OBLIVION以来です。OBLIVIONは五時間ほどで挫折しました。GTA IVは今のところプレイできているし、最後までプレイするつもりもあります。OBLIVIONに関する記憶はすでに朧気ですが、地下牢にいきなりおっさんが現れて延々と全く理解できない長話を聞かされ、気がつくと野原に放置されていました。GTA IVでは、密入国するシーンから始まり、港に現れたいとこのローマンについて行くと、彼の手に記されていたアメリカンドリームは真っ赤な嘘で、借金まみれだったことがわかりファック!! イディオット!! みたいなことを言ってるんだなぁ、という感じまでは追えました。これは、何による功績かというと、ニコとローマンの二人が身振り手振りを交えて大げさにやりとりしてくれるからで、人は見た目が九割とはまさにこのことでは? あんなおっさんに無表情に語られても何がなにやらわからん、ということではないか。