布団について

事情があって布団を窓際に移したが良いことばかりで驚いた。これほど、良いことしかない模様替えはかつてなかったことだから、みんな窓際に布団を移した方が良い。これは本当の話ですが……。
布団を移した事情については説明しませんが、たとえば、ある人(Aさん)から布団を窓際に移した方が良いですよ、と助言をうけた結果が今の状態なのだとしたら、部屋の模様替えについてはもうみんなAさんに相談しておけば間違いない、というレベルです。布団を移したことでベッド上のスペースは物置になりました。ここは、まだ有効に活用されているとは言い難い状態ですが、ものを置いても取り上げやすい高さなので、そこが床のままであるよりは物置として優れた状態にあるといえます(ベッドの下にものを置くことは、依然として出来ます)。公平を期すために、布団を窓際に移すことのデメリットをまずここであげておくと、布団の上を通らずに窓際まで行くことが不可能になりました。布団の両脇は元々テレビ台と安楽椅子なので、いわゆる床だけを通って窓まで行きつくことは(余程の跳躍力を備えていない限り)不可能になりました。しかし、もともと窓際に行くような積極的な動機はほとんど存在しない、洗濯物を干すときと、窓の開け閉めをしたいとき、だけなのだから、窓際まで普通に行くことが出来なくなったのは嘆く程のことでもない。それに、布団の上を歩けばすぐに窓まで行くことは出来る。対するメリットですが、一番の大きいのは、そこが涼しい、ということです。これはもちろんAさんからも一推しの理由としてあげられていたものです。部屋の中は外よりも暑いし、冷たい空気は下に流れるから、部屋から出ないで涼しく凄そうと思ったら、窓際の床が一番理にかなっています。一番涼しい状態でありたいのは夜寝るときなのだから、一番涼しい場所は夜寝るときに使われるべきです(ボスニアに、これに対応するようなことわざがあるでしょうか? 私はしりませんが……)。
窓際は、夜の間、一番に涼しい場所として部屋の中で君臨していますが、朝になるともうそこは灼熱の地獄のようです。なぜなら、そこには陽の光が差し込むからです。週末の朝以外なら、これは歓迎すべき事態だと言えるのではないでしょうか。また、このことと深い関連があるのですが、窓際におかれた布団は意識して干す必要がありません。先ほども説明したように、自動的に、陽が上がるたび、干されてしまうからです。毎晩、床に着くたびにあのいい陽の匂いに包まれるわけです。というのは嘘で、良い匂い、は特にしません。これについては、次のような説明がありました。つまり、あの良い匂いというものは、ダニが死んだ匂いだというのです。ダニの死臭だというわけです。毎日干すのではなく、ダニが集まるまで干してはいけないのです。これで良い匂いは台無しになってしまったでしょうか? 私はそのようには思いません。布団の良い匂いが良い匂いそのものとして良いのではなく、なにかの徴として歓迎されているのだとしたら、それはダニ殲滅の徴として、としてであるべきだからで、なぜかというとそれが布団を干す理由だからです(実際には殲滅されていませんが)。