OTONA NO NAMIDA DVDについて

K2Da2006-09-07

松浦亜弥コンサートツアー2006春~OTONA no NAMIDA~ [DVD]

松浦亜弥コンサートツアー2006春~OTONA no NAMIDA~ [DVD]

ハロー!プロジェクトのDVDは基本的に最終公演を収録しています。直線進歩主義的コンサートツアー観に基づくなら、明日の公演はきっと今日の公演よりも良い出来、明後日の公演は明日の公演よりも良い出来、なのだから、最終公演がもっとも良い、最高の公演であることは明らかです(証明は省略します)。しかし、最終公演は単に一番遅い時期に行われた公演であるだけでなく、一連のツアーを締めくくる、最後の、特別な公演でもあるので、構成からして他の公演とは異なる場合が多い。そのように特別な公演を、一連のツアーを代表するものとしてDVDにパッケージングすることに対してはかねてから疑問に感じていました。卒業公演で特に顕著ですが、最終公演には最終公演特有の雰囲気が存在するものです。
(かといって、複数の公演、たとえば、初日、中日、楽日を収録したDVDを別個に販売して欲しいのかというと、そうではありません。むしろ、経済的な破綻が目に見える距離にまで近付くので全く歓迎できない。牢番の数、装備、組み合わせが変化するなど複雑な構成を持ち、かつ上演時間も長かった「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」DVDがどんな形になるのか注目しています)
本作にも4/1〜6/25にかけて行われたツアーの最終公演が収録されています。収録当日が松浦さんの誕生日、いわゆる聖誕祭にあたるため、特別な演出(ケーキに頭を突っ込む、等)が存在します。収録時間は二時間二十分を越えます。これは異例の長さです。通常、ハロー!プロジェクトのコンサートは一時間半から二時間程度に収まることが多い。
二時間半弱のコンサート中、計7回、MC部分の合計が実に52分。このDVDでは1:43前後に、「次が最後の曲です!」と松浦さんが言うのですが、実際にコンサートが終わるのはそれから40分近く後。先ほども書いたようにこの回には誕生日を祝しての特別な演出が含まれているのでその分普段より長いわけですが、それを除いて毎回40分前後はMCがあったと思います。僕はこの公演を実際にも二回見ていますが、MCは毎回異なっていました。
ここで松浦さんの恐ろしさについて書きます。松浦さんの恐ろしさは非常に説明しにくいので、例え話をします。あるところにライフハック好きの集団と、ライフハックを小馬鹿にすることで心の健康を保っている人がいたとして、そこに松浦さんが現れるとライフハック等は使用せずにあっという間に突き抜けていく。死ぬ。という感じです。伝わったでしょうか。とにかく松浦さんは人間力が高すぎるので恐ろしい。松浦さんのファンも非常に人間力が強いに違いないと思います。
松浦さんの恐ろしさはコンサート中のMCにはあまり表れていないようですが、オーディオコメンタリーでは片鱗が味わえる。オーディオコメンタリーはまだ最後まで通して聞けていないが、おそらくDVD全編にわたって続いていて、つまり、2時間20分間、松浦さんとカントリー娘。さんがトークをしている。みうなさんが一人だけ松浦さんに対して異常に丁寧語なのがとても面白い。興味深かったのは、29分目当たりで話題になっている、コンサートでのMCはいままでつんく♂さんに非常に頼っていた、今まではつんく♂さんが書いた台本をどう自然に読むか、がテーマだった、という話です。ということは、萩原さんのセクシー芸や、ハロコン中に披露される様々なギャグは全てつんく♂さんが書いていたのだろうか、ということに私は気付き、なるほど。と思いました。
オーディオコメンタリーはとても良い。DVDが普及しはじめた頃に喧伝されていた、マルチアングル、複数の音声トラック、などの機能はハロー!プロジェクトのDVDでは全くお目にかかれず腹立たしかった、そんな機能が本当に実装されているのか疑わしい、と感じていたのですが、ついに、DVDが本気を出した、という感じです。
というわけでこのDVD 、必携ですゾ!