ハロショ大阪(遠征二日目)

初入阪二日目にはハロショ大阪店へ行った。ハロショというのはハロプログッズ(主にL判写真)を特殊な販売形態で扱う専門店で、東京では上野、原宿、渋谷の三店舗。関西には大阪店、京都店の二店舗がある。僕は普段写真を買わないので、渋谷店しか行ったことがなかった。当然、大阪店に行くのは初めて。
大阪の朝は早くて、ハロショ大阪店の開店は朝十時。とりあえず早めに、ということで前日から行動を共にしている三人揃って九時過ぎに店舗付近へ到着すると、近所のコンビニ内、コンビニ前にそれぞれ数名、周辺の道路にも何人かずつ固まって大きな荷物を抱えた不審な集団がたむろっている。仲間だ、と直感でわかった。恐る恐るハロショ店舗前まで行くと、昨日のCutie Circuit 2006会場を取り仕切っていたスタッフTシャツの男性が無表情で整理券を配っていた。「これをお持ちください」。二桁中盤の番号が記された整理券をもらい、一旦その場を離れる。
"これはひょっとして、℃-uteメンバーが来店するのではないか?"
そんな予想が同行三人の間で支持を得た。新写真発売日でなし、なにもなければ整理券の配布などするはずがない。しかも、整理券を配っていたのはショップの店員ではなく、イベントスタッフ。地方公演の際に、ツアー先でハロショに来店というのはUFAが好んで行うイベント設定だし、そうすると、周辺にたむろしているファンは℃-uteの入り待ちと考えるべきだろう。我々も入り待ちをしようか。それとも入り待ちという非紳士的な行為は控えるべきだろうか。べき論は好みでないが、℃-uteメンバーに入り待ちをするファンとして認識されてしまうのは悲しい。三者協議の結果、照りつける日差しも厳しいので一旦この場を離れて開店間際に戻ろう、ということになった。
近場の某有名ファーストフード店カウンターでミックスベリーヨーグルトのみを注文してから、握手会、もしかすると来店、に備えて身だしなみを整えるべく手洗いに立った。爪のチェックなどを入念に行い席に戻ると同行者が一人見当たらない。荷物もない。やられた! 残った別の同行者に訊ねると、やはり耐え切れずに一人先行してハロショへ戻ったという。ミックスベリーヨーグルトを一息で飲みきって店を出た。靴紐と靴底のエアをチェック。心斎橋を駆け抜ける最速の自分をイメージ。到着する頃には心臓が早鐘のようになっていることだろう……。
先に店頭で待機していた同行者によると、℃-ute来店の可能性は限りなく低いということであった。以下そう推察した理由。

  1. 昨日も来店など無かったが、同じスタッフが整理券を配っていた
  2. 通常のファンより遥かに事情通であるはずの特殊な層に属するファンが一人も来ていない

なるほど。実際に℃-uteは来店しなかった。我々は単に当日発売でもない写真を購入するため、百人以上の待ち行列を作ったということだ。おそらく、これはXbox 360発売時ヨドバシ前に出来た行列より長いのではないかと思うが、マスコミは取材に来なかった。ここでお決まりのマスコミ批判を披露するつもりはないが、もしレポーターが「今日は何を買うつもりでいらっしゃったんですか?」とか、「なにか一言」と僕にマイクを向けていたらどう答えようか考えながら入店を待った。「また少し撮影の角度とポーズが異なる写真目当てです」とかありきたりで採用されない。カメラを利用して「写真を餌によくわからない防災グッズを売りつけるのはひどい」とか主張することも検討したが防災セットはハロショの商品じゃないから放映されないだろうなぁ、と思ってあまり明るい展望が開けなかったので空想を止めた。