<<ストーカー>>について

ストーカーについては正直空想上の社会問題くらいにしか捉えていなかったのですが、実は大変に身近で重大な問題だった。言葉の印象が直接的にすぎるからなのか、秘儀的な色合いを無駄に強めるためなのかはわかりませんが、我々の間では"ストーカー"ではなく"STK"と呼称されています。しかし、ここでは広く社会に訴えるという意志も込めて強くストーカーと呼びたい。
ストーカー問題が身近であるというのは身体感覚に訴える比喩ではなく、本当に身近にいる、イベントに行くと実際そこにストーカーが居る、という意味です。僕が見て、あぁ、あのストーカーまた居るなぁ、と思う(もちろん、僕よりずっと彼らはそこに"居る"わけですが)のだから、スタッフもメンバーもわかっているはずですが、特に対処されていません。握手会の時にあまり長く握手したり(といっても2、3秒ですが)、不審な行動をとろうとしたファンは握手している手をメンバーの後ろに立つスタッフに手刀で打ち落とされたり、背後で人間の壁を作っているモトリー・クルーTシャツを着た男性に体全体を突き飛ばされたりするのですが、強いて言えば、ストーカーに対しては手刀が心持ち強めなのではないか? と思われる程度の対策しかなされていません。
というと、実際彼らはストーカーではないのではないか? 我々が不当に汚名を着せているのではないかと疑われるかも知れません。彼らが何故ストーカーであると言われてしまうのかというと、運動会や遠足に行くと彼らが居るからです。つまり、誰々の遠足について行ったらあいつが居たのであいつはストーカーだ、というわけであり、この場合もちろん告発者もストーカーです。そして、ストーカーはお互いをホームビデオに撮ったりしているので図らずもその名に反して有名になってしまうというわけです。
そんなストーカー達ですが、こんな話も聞きました(ストーカーに関する話は全て伝聞です)。あるストーカーのストーク対象は学校でいじめられていると言わないまでも、軽い嫌がらせを受けていたそうです。よくわかりませんが、家族について揶揄されたりそういうことでしょうか。或いは芸能活動についてだったかもわかりません。いたずらは彼女の自転車にもおよび、落書きをされたりしたそうです。サドルを盗まれたかもわかりません(ここは僕が話を補填しました)。そんな様子に心を痛めたストーカーは深夜にこっそり彼女のガレージに忍び込むと、落書きを全て綺麗に消して、新しいサドルを付けてあげたそうです。
これは全然ココロ暖まるいい話ではないので、ストーカーに対する敵意をしっかり育てていきたいです。