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投票がよく分からないのは「1.ある候補を当選させる、あるいはある政党の候補者を当選させるために投票する」という、恐らく本来の意味での投票の目的に、個人が休日にとる行動の選択肢としての魅力が全く欠けているのが原因だ、とおもう。これは単純に確率の話ですが、一票で当落が決まったというのは戦後の日本では何処かの村の選挙で一度あっただけ、らしく、しかしこの話を聞いたのは十年以上前なのでそれ以来に発生しているかもしれませんが、とにかくほとんどあり得ないわけです。
もしも一票で当落が決定した場合、それは恐らくその選挙に関わった人全員にとって素敵な体験となり、また当選した側にとっては幸せな記憶ともなり得る、(その前に集計のやり直しとかで揉めると思いますが)、のですが、そのような事はまず無いのであり、また投票する人もこの一票に当落が決すると意識することはないのではないか。つまり、投票するという行為には本来の目的から外れた恐ろしい意図が含まれているのではないか……。
この本来の意味での目的が軽んじられていると思う一つの証拠にはやはり一票の格差があり、まぁ参議院の五倍とか衆議院の二倍とかは詳しく知らないのであれで説明できないですが、二倍でも十分おかしいでしょう。だって、例えば生徒会の選挙で「この学級は特殊な事情で人数が少ないので一人二票投じれる事にします」とか言わない。話のわかる奴だ。
なので、恐らくその本来の目的から外れた、2と3について考えたい。