脱出

そんな中でも頭から離れないのが鍵の事で、遂に来週大家がやってくると言うか本当は大家じゃなくて管理会社の人なんだけど、とにかく来る。排水口を調べに。僕だって本当に鍵が壊れていた方が良いと思っていたわけではないので、鍵の破片取りには相当な回数挑戦している。ほとんどの挑戦は友人に借りている強力なピンセット(宝石職人用)で鍵をつまんで取り出そうと言うもので、夜寝る前とかに毎日こつこつと挑戦してきた。
このピンセットは単に強力であるのみならず、友人によって特別なtune upを施されていて、両先端に両面テープが巻きつけてある。鍵を上下から挟み込んで掴む力にくわえて、両面テープの粘着力で鍵を引き出そうという目論見だ。しかしこの工作は裏目に出た。鍵の破片は鍵穴からほんの数ミリ出ているだけなので、良くピンセットの先端が外れて、ピンセットが閉じてしまう。僕は右手でピンセットを締めつつ左手でピンセットが左右にずれないよう支えているから、ピンセットが閉じるときに左手の親指と人差し指が挟まれて物凄く痛い。しかも先端の強力な粘着テープがお互いにくっついてそのまま離れなくなった。うわー超いてーしこのまま指を引き抜くのが良いのか、自由な右手でピンセットの先端を離すのが良いのかどっちが正解なんだろう、ってか超痛いし、マジ死ぬ、右手でやるのは無理そうだからやっぱ痛みに鈍感そうな親指から抜いてみようグァやっぱちょういてーじゃん、なんか指が線状に赤くなってるし、なんかいけてね。みたいな。ほんと痛かったし吃驚したししかもそれを二回繰り返した。
そう言う反省を踏まえて恐らく鍵って相当柔らかい金属で出来てるからぐさっと刺さる系のペンチみたいな形で先が内側に尖ってる奴があればぐさって鍵にさして引き抜けるんじゃないかなーと思って工務店用道具屋風のところへ朝寄ってみたんだが、そう言う便利な道具は売ってなかった。替りにすげぇごつい掃除機とかあってかっこよかったんだが、やっぱりハンダゴテかってきて何かとくっつけて引き抜けば出来るんじゃないだろうか、でも間違ってハンダで鍵穴塞いじゃったら完全にアウトだしなぁと思っていたんだが、爪切りのはじっこのほうで挟んで抜いたらあっさり取れた。