正直ベースについて

使う場所も無いのに英語を勉強してみたり、改めてそのために練習が必要になるほど重いものを持ち上げる機会なんてないのに筋トレをしたり、といった私の心の弱さについてはあまり書きたいとは思わないので今まで書いてきませんでした。「筋トレをして力を手に入れたい」という欲求には自然でない、内発的でないものを感じるので、「筋トレをして力を手に入れたい」という欲求から解き放たれた種類の人間なりたいと常々おもっているのですが、その方法はわからないので、仕方なく筋トレをしています。英語も同様です。なので非常に言いにくい、いいたくない事ですが、ここ二ヶ月ほど英語の勉強をしています。英語勉強の一環として、日本人同士が英語でしゃべる会合のようなものにも、一度だけですが、参加しました。
形式的にでも、なにか意味を伝える手段として英語の文章を口にするのは初めてなので、全くうまくいかず、本当に苦痛でした。また、参加し続ける事によって、ますます誠実な人間から遠ざかってしまうのでは、といった危惧を抱きました。つまり、その場で口にする文章は、まず第一に発話の練習であるから、内容が事実と異なっていてもかまわないのでは、と思いはじめ、正確さよりも、簡潔さを優先してしまいがちになりました。僕が自信を持って扱えるのはSVC、せいぜいSVOの単文までなので、すべてそのどちらかで答えようとするのですが、正確に表現する事はできません。たとえば、僕が10年ほど前に上京してきた、というようなことを話していると、「なぜ上京してきたの?」と訊かれます。別に僕の事に興味があるからではなく、そういう練習だからです。「大学が東京にあったからです。名古屋からそこへ通うのは無理でした」と答えると、「なんで東京の大学を選んだの?」と訊かれます。「東京に来たかったからです」、「なんで来たかったの?」。これには「首都だからです」としか答えられませんでした。東京の話は多く出ました。メンバー全員が地理に深い関心を抱いていたからではなく、誰でも参加しやすい話題だからです。最近東京へ越してきた人にお勧めスポットを訊かれたので、「東京タワー」と答えました。「それに登ったことあるんですか?」「いいえ、ありません」、「では何故お勧めなんですか?」「It's too tall!」というような感じです。ちなみに、登ったことはあるのですが、特に意味もなく嘘をついてしまいました。しかし、登った事があると答えても何故お勧めなのか訊かれただろうし、本当は別にお勧めだとも思っていないので、答えに窮するのは同じです。タバコの是非について議論しようのコーナーでは、it's so coolしか言えませんでしたし、大学時代にやっていたことは? の質問にはnothingと答えましたが、これは本当です。