たいせい(37)さんについて

休止中もメンバー同士が顔を会わせる機会はあったという。5年ぶりといっても息もピッタリで「みんな気持ち悪いくらい同じ動きをするんです」(つんく♂)とビックリ。しかし、たいせーが“たいせい”(37)に改名していたことはまったく知らず、つんく♂は「知らんかった」を連発した。

ちょっとした事情があって一月末にハロープロジェクトメンバー総出演の公演を計三回見ました。その時、一番気になったのは、合計四人いるMCのうち一人、たいせいさんが何を言っているのかまったく理解できなかったことです。たいせいさんの発言はおそらく一回の公演につき数度しかなく、全ての公演で同じ内容の発言をしていたのだと思いますが、それでもその大半が聞き取れませんでした。決して他の出演者と比べて声が小さいわけではなく、音としてははっきりこちらまで届いているのに、それを声として解釈した結果意味として結ばれるはずの像が脳裏に描かれると同時に、私の頭の中の消しゴムによって片端から消されていくような感覚でした。一回目の公演ではたいせいさんが何を言っているのかよりも、その他のいろいろなこと、歌やダンスに興味があったのでそのまま聞き逃していたのですが、一回目の公演が終了すると、周りの人たちがたいせいさんのMCの聞き取り辛さに関して声高に品評を始めました。いわく、たいせいは何を言っているのかわからない。これは、エルダークラブの時もそうだった、そしてとても面白い、と。司会なんて楽な商売だとやっかむ声もありました。二回目の公演ではこれ以上無いくらい集中して、たいせいさんがMCを通して私たちに何を訴えているのかを感じ取ろうとしました。しかし、集中すればするほど意味は崩壊し、遠のき、最後まで言葉として聞き取れなかったのでなにも伝わってきませんでした。三回目の公演になると、もうこれでたいせいさんが言わんとしているなにかに当事者としてかかわれる機会は最後の最後になってしまったのだと気がせくばかりで、めぼしい聞き取りは出来ませんでした。
三回目の公演が終わり、ライブの興奮が抜けきらずに垂直に伸びながらぐるぐる回ったりする人たちの中で、「まぁでもDVDが出るからそれで確認すればいいや」、などと腑抜けたことを連発していたのを思い出します。結局、そのDVDはいわれなき圧力によって永遠に発売されることはなくなってしまうというのに。
というわけで、つまり、たいせいさんは改名についてちゃんとつんく♂さんに伝えていたのに、つんく♂さんはそれを聞き取れなかったのではないか? と、この記事を読んで思いました。