右の頬を罵倒されたら、左の頬を差し出す(X)

「目には目を」、「歯には歯を」は簡単なルールとして十分に機能するだろうと思えるし、日常生活でも適用されているけれど、ネット上で「罵倒には罵倒を」、「批判には批判を」が有効かというと、そうではない。と、直観的に思える。殴り返されたら誰でも痛いけど、罵倒され返されても痛くないからだ。「目には目を」がルールとして有効なのは、誰も目をつぶされたくないからで、罵倒はいつでも痛いわけではないし、どこもつぶれない。
罵倒が痛いものでありえるのは、自分が評価しているか好意を抱いている人から罵倒された時だけで、評価していないか嫌いな人間から罵倒された場合はそんなに痛手でもないだろう、と思える*1。罵倒した相手に罵倒し返される、というのはだからあんまり痛くない。罵倒されたから罵倒し返すというのは、報復としても有効でないし、印象も悪いしでなにも良いことがない。それでも、罵倒されたから罵倒し返すという行為がよく見られるのは、後付でも罵倒し返すことで相手を評価していないと表明できるからで、すでに受けた痛手を無かったことにしようとしている、軽減しようとしている、からではないか。という推測が成り立つので更には余程最初の罵倒が痛かったんだなぁ、とまで周囲に思われてしまうから、罵倒されたからという理由で罵倒し返すというのは最悪の手だ。
報復を考えないのなら気付かなかった、無かったことにするのが一番良いのだろうけど、そうでない場合。じゃあ、報復するためにどうすればいいか、という所でずっと考えが止まっているので、真剣に考える。ここを解決しないとほのぼの日常日記に戻れないからです。これは報復なのだから、どうやって文章だけで精神的外傷を与えられるか、暴力に近いものを実現するか、について考えなければならない。これが難しいのは、日常生活では有効な報復手段が、ネット上ではほとんど有効でない、という理由によります。つまり、日常生活で不快な目に遭わされた場合は、互恵的関係を結ばない、消極的にしか協力しない、サークルから疎外する、ことで、特別なことをせずに報復できるけど、ネット上には元々互恵的関係も回避できない人間関係も存在しないので、積極的にいかないかぎり永遠に報復できない。
積極的に報復しなければいけないけれど、それが罵倒に対する罵倒と見られてはいけない、というのはかなり実現困難。というのは広いネット世界で罵倒された相手に向かって何か書いたらそれだけで報復に見えるから。なら、やはり報復など考えない方が良いのではないか? という気がしますが、名無しさんならともかく名前のある人間に罵倒されて反撃もしないのでは、ネットワーカーの名が廃る、という好戦的な気分の時にどうすればいいか、についてだ。罵倒したいだけなら罵倒できそうな相手を探して晒し上げブックマークでもしてればいいんだろうけど、罵倒された時にどう反撃するか、それが可能なのかどうか、と言うことです。

*1:特に根拠無く他人を見下している人は誰になにをいわれても平気なので最強ネット論者。嫌な人の上に最強だなんて……。出来ることが少なく使っていてつまらないのにのに最強の格ゲーキャラのようです