日記

キーワード「iPod」から人が来ているのを見るだけで辛い気持ちになるので端折りますが、僕は最近手にMP3プレイヤーを持って散歩していて、それは何故かというと本体をポケットに入れておくと僕の歩法が烈しすぎて曲のロードに失敗するからです。それと同じようにあのCMの人たちにも何か同じような止むに止まれぬ事情があったに違いない、と思い、そこから延々とあのCMについて考えを深めるうち、あの烈しく動く黒い影と強い一色で塗りつぶされた背景にはもっとなにか僕には思いもつかぬような、一種秘密めいた意図が隠されているのではないか、それは勿論隠されているからにはあの人当たりの良い普段の<iPod>からはそう告げられてさえ素直に連想できぬような、後ろ暗い陰鬱な一つのイメージなのです。
そう、あれは一つのイメージでしかなくだからこそ踊り狂うのは体格の良いダンサーであり、包み込むのはiPod miniをおもわせるような単色、あれは右のイヤフォンと左のイヤフォンの間の世界を描いたCM、逃れられないとても小さく単調な世界を切り取った動画です。