古書街について

手持ちのあくたがわが残り少なく、週末まで保つかどうか、いささか心細くなってきたのと、ペケという少女漫画を入手したかったので友人と古書街へ行く。もともとは友人が大庭みな子の全集(絶版)が欲しい欲しいと言うのでそれに付き合う形で、僕の目的はまぁなんというか、ただ付き合いで行動するのも舐められてるようでなんだから、一応自分も目的のある振りをするという自分に対する処世術みたいな後付けの目的である。二人とも古書街には全く縁の無い生活をおくってきたので、そこが目当てのものを探すのに適した場所なのかどうかも良くわからない。僕の目的に限って言えば図書館に行くのが一番手っ取り早く、確実かつ安上がりなんだけども、本を返さねばならんという義務が一つ増えるだけで日常生活に非常な負荷を与えることになり、出来れば図書館は使いたくない。心の風邪を患う可能性がある。同じ理由でレンタルビデオ、DVD、CDもほとんど利用出来ない。友人によると、大庭みな子も図書館にはちゃんと完備されており、今までは図書館で借りて読んでいたし、また何冊か所有もしているのだが、手元に置いておくためにあらためて全集を購入するつもりらしい。
店の並びも良くわからんので適当に歩くと定休の店が多く、半分はシャッターが降りている。営業してる中で全集の品揃えがよさそうな店を見繕い侵入、棚を眺めると、いきなりあくたがわ賞コーナーを発見、まだ入手できていないものが全て並んでいたので、興奮気味に小走り、友人の所へ報告に行く拍子に振動で脇のガラス棚がガタガタ鳴り、レジに座って本を読んでいらっしゃる男性に眼鏡の上から睨まれる。まぁ、沢山購入する積もりだから許しておくれ、と心の中で店主らしき人を宥め、友人連れてあくたがわ棚に帰還、試しに一冊手にとって観察してみると初版、帯付というやつで、定価の倍値がついている。コンピュータ関係の書籍だと不正確な記述、誤植が多いので初版は敢えて避けたりするものだが、初版が珍重される世界もあるんだな、まぁ、僕は初物に拘る性格ではない*1、大人なのでこんな高い本はいらん、他のはもっと安いだろう、で、他のも見てみると最低でも初版帯付、物に拠っては筆ペン使用、著者のサインまで入っていたりして、定価を下回っているものが一冊も無い。この時点で古書街全体が憎くて仕方が無く、同時に購買意欲が零にまで低下する。やはり、僕は今日BOOK OFF巡りをするべきだったのだBOOK OFFはちゃんと五十音順に並んでいるので、目当ての本を探すだけなら十分もあれば一軒完了するし高くてもでも定価の半額だ。よく探すと100円の場合も多い。あくたがわなんかどうせ沢山売れているんだから、ちょっとぶって古書街までくる必要は無かった。ペケに至っては、置いてありそうな気配すらない。店主や他の客にもいらぬ迷惑をかけた。僕はもう大庭みな子全集を探すだけの、静音設計された冷徹マシンになりきろう、それで他の店でも全集ばかり眺めてみたが、どこにいっても南方熊楠全集ばかりが目につき、大庭みな子は欠片も発見できなかったので、東京トンガリキッズが連載されていた頃の宝島、表紙は坂本龍一、特集はトンガリブランド20選、町田町蔵も登場、を一冊購入し、バハラでFSSのガレキを冷やかしたのち帰宅。宝島はまだ読んでいない。図書館のカードを作りたいと思う。

*1:ここに下ネタを入れようと思ったが、初版がどうというよりは古本がどうかという話題だったり、ちょっとあれかな?下品に過ぎるかな?と思い、ヨロシクナイ感じだったので止めた