ほのぼのキノコライフ回想日記(1)

「しんせみあ」の主役はその舞台となっている神町であるとも言えるのですが、この神町の特徴はなんといってもそこで行われているあらゆる種類の薬物乱用です。つまりしんせみあのテーマは薬物乱用であると思います。
僕は高校を卒業するまで真面目っ子、というか何もしない子供だった反動からか二十歳前後で突然不良に目覚め、どうしても薬物を乱用したいという思いが日に日に高まって行きました。丁度その頃交際していた、交際、というか、まぁ交際してたんですけど、十歳上の女性が元ジャンキーで、あれが凄いこれが凄いといろいろ吹き込んできたので、それも僕の夢を膨らませました。ただ、その女性は友人が逮捕されたのを契機に完全に乱用を止めていたので、彼女からは薬物を入手する事は出来なかった。以前はホステスをやっていたので金銭的な余裕があったけど、その頃は食えないデザイナーだったので、単にそんな事に回すお金がなかっただけかもしれませんが。
丁度同じ頃、中学、高校の友人(僕は中高一貫の男子校出身です)が次々と精神科にかかって薬を処方されるようになりました。皆さんもう子供さんがいらっしゃるかもしれませんが、絶対に共学の方がいいと思いますよ!!六年間も別学の学校で異性から隔離されていると脳のどこかがやられます。僕の周りにそういう人が多かったのは単に類は友を呼ぶという現象かもしれませんが…。そうした友人から聞く坑精神薬の素晴らしい効果も私の薬物への憧れをいや増していったのです。
勿論、普通に学校の知り合いで大麻等を嗜んでいる人も沢山いました。音楽をやっている人が多かったです。ゼミの半数が大麻大好き人間だった事が判明したときは本当に驚きました…。
決して活動的とはいえない、むしろ殆ど活動しない大学生であった僕の周りでもこの状態ですから、東京の薬物汚染も神町に負けて居ないような気がします。そして大部分の乱用者は三田さんちの息子さんとは違って、友人や親しい人と、または一人でこっそり大人しく乱用し、そのまま自然に卒業していくのだと思います。つづく。