73.2kg

全然減ってない。ショックだ。最近は家に帰ってからソウルドラマーばかり叩いている。ソウルドラマーっていうのはドラマーなんであって、ドラムの名前としてはソウルドラムが妥当じゃないかと思う。でも台湾でも心霊鼓手という名前で売られてるから良いのかもしれない。購入して一週間以内に購入した事を後悔するに違いないと踏んでいたが今はまだ後悔していない。ただ、付属のゲームは何故か起動しなかった。CD-ROMドライブが悪いというメッセージが出るのだが、今まで一度だって人にそんな事を言われた事は無いのでとても悔しい。ゲームが起動しないので結局のところソウルドラマーは単なる大きくて高価で特殊な形をしたゲームパッドとして使用しているのだが、ドラム(ゲーム)エミュレータは数多く世に存在しているので特に困らない。
ヘッドフォンをつけてなるべく大きな音を出さないようにソウルドラマーを木の棒でバシバシ叩いていると、自然に学生の頃を思い出した。外国語のクラスでマルチまがい商法が流行った時の事。
僕はその頃何も活動的な事をしていなかったので非常に寝つきが悪く、自分は不眠症で、しかもそれはきっと鬱の一症状なんだ、と思い込んでいた。その後バイトをしたり良く遊びに行くようになってからはすぐ寝付けるようになったので単に怠惰と生活の不規則から来ていたんだと思うが、そのときは真剣に精神科に行くかどうか迷っていた。丁度高校の友達が何人か鬱と神経症で帰省したりひきこもったりしていたのもあって。リタリンはすげぇぞ、とか言われて。まぁ、でも処方薬を他人に譲渡するのは勿論違法なので絶対やっちゃいけないわけなので無論睡眠薬を友達から貰うわけには行かない。そうして僕が不眠で苦しんでいると特に親しくも無い、外国語クラスのクラスメートが、
−おい、じゃあこれ飲めよ。メラトニン。スチュワーデスの間で大流行してるんだ。バシッと眠れるぜぇ!!
などといってメラトニンをくれたのでした。おお、なんて親切な人なんだろうと思っていると、暫らくしてから面白いもんがあるから今度家に遊びにきなよなどと言われ、遊びに行った。結局彼の家には面白い物なんて何も無くて、まだ連載が始まって間もないふたりエッチと雑誌だった頃のWIREDくらいしかなかった。「ふたりエッチ」は彼女が読みたいというので買ってきたそうだ。僕はその頃WIREDもなんかオシャレ風で感じ悪いと毛嫌いしていたのですごくむかついてその時点で帰りたかったのだが、「まぁもうちょっと待てよ」といわれてふたりエッチを読みながら少し時間をつぶしていると、何人か知らない若者が部屋に入ってきた。ふたりエッチは割と面白かったので名残惜しかったが無視するわけにもいかないので彼らが何をするのか観察していると、それがハーブ系マルチまがい商法の集会だったので、僕はまんまと勧誘されていたわけだ。それからいかにマルチが儲かるか等の説教が始まったのだけど僕は自分の対人スキルの低さだけは当時から良く自覚していたからなんの苦も無くはっきり断った。
そこで扱っていたのはハーブ系といいつつ当時アメリカで流行していたらしい頭が良くなる薬、スマートドラッグとか、さっきのメラトニンだとか、まだSSRIとかSNRIが日本で認可されていなかったからプロザックなんかだった。僕はプロザックはもう試した後で結構長く服用したのに全然効果が感じられなかったし、当時の相場から考えても酷く高価でこんなものを買う奴が居るとは信じられなかった。でも奴等も自分のランク?にかかわる事だから必死に勧誘するわけだ。その中で飛び出したのが「スマドラを喰ってからビートマニアをやると超集中できてすごいスコアが出る」という訳の分からない発言でそれ以来僕は音楽ゲームをやっていると時々このことを思い出す。ちなみに僕は珈琲を飲んでからゲームをやるといいスコアが出ます。珈琲もアルコールも煙草も摂取しないモルモン教の人は一貫していてなかなかすごいと思う。会社の後輩に居るんだが。後、僕の尊敬するプログラマーの方もそうらしいので実は結構多いのだろうか。