アイフルのチワワCM[→]について

アイフルのCMを知らない人がいるかもなので先に説明しておきます。まず一人の中年男性が在りまして、彼はチワワを飼っています。大変にチワワをかわいがっているので、ショーウィンドウに展示されたタキシードを見ては犬用に誂えたそれを着用した犬を想像してうっとりし、また別の機会にはテレビでスノーボードをする犬を見てなにか思案顔になります。そこへ「どうする? アイフル!」というコーラスが入りCMは終わります。アイフル消費者金融なので、アイフルで借金すれば犬に服を着させられ、スーノボードに連れて行かれますよ!!という事を婉曲に表現しているのだと思われます。
彼が実際にそれらを実行したか否かはCM内で描かれていないので不明ですが、借金をしてまで犬に無償の愛を注ぐ姿にはなかなか感動させられます。僕もアイフルでお金を借りてみようかな、と思いました。
これが前回までのCMに共通した大筋です*1が、一番新しい、「『帰宅』編」は内容が一新されていて、行方不明になった犬を探していたところ、ある日行方知れずだった犬が配偶者と大勢の仔犬を伴って帰宅する、という筋になっています。この新作には前回までのものと決定的に異なる点が二つあって、まず一つにはそれが実際に起こった出来事として描かれている点、もう一つにはタキシードやスノボと違い、大量に増殖した犬達は彼に"継続的な"経済的困難をもたらすであろうという点、です。
犬に服を着せるくらいのことで借金を検討するような経済状態の人間には、あれたけの犬を喰わせていく事は到底不可能事であろう、と僕は思い、彼と彼の犬達の将来を悲観していたのですが、それは違うんだそうです。チワワという犬は実際相当な値段で取引されているのです。ですから、あれは大量の仔犬を得た彼がそれらを売却することで一時的な所得の増加を果たし、結果としてアイフルに借金を返す事が可能になる、という事を暗示しているのだそうです。こんな返済方法は到底計画的なご利用と言い得ないので、本当にそうなのだろうか、という点は少し疑問ですが……。これ以外にどう解釈すればあのCMの意図を正確に掴めるのかがわかりません。その先に待ち受けているのは悲劇ばかりです。

*1:僕も全部見たという確信はないので他のバージョンもあるのかもしれませんが