ブログとお金について(2)

まとめてみよう。
なぜ(ことにネット上で他人の)「繋がり」がムカつくというと、その原因は見えているのに自分には関係ない、という「疎外」にあるのだけれど、勿論「自分がムカつくから」という理由だけでは、「繋がり」を思うさま非難できない。やってる人は楽しい、むかつく人は見なければいいので、幸せの総量としては+であり、これではあかんなぁ、これでは「繋がり」むかつく! キモい! という自分に正直な悪口しか言えへんやん、もっとこう正面から論難できんもんかしら、そう、たとえば公益という視点から……。あれや、「繋がり」には情報としての価値がない、その証拠に金にならないだろう! 検索結果の上位にゴミみたいな日記が来てると腹立つ、なんて場合には「見なければいい」論も通用しない!
という流れがまずあり、しかしその「情報がゴミ」、「実は繋がりを希求している」という疑いはいつでも(mixiをキモがっていたブロガーがそうなったように)非難している側へも降りかかり得るので、それを避けるために"ブログが金になるシステム"が要請されているのではないか、というのが前回のお話でした。お金には融通無碍な力があるので、金を求めている分には彼が本当に求めているものは何なのかをさらす必要がなく、である以上は、彼がとった行動はいついかなる時でも「金がほしくてやった」こととして説明されうるのです。もし上手くいかなかったとしても、それは金を儲ける技術がなかった、と言うだけのことであり、あの愚行の裏にはこんな欲望が、とか、幼少期に云々、ルなんとか男が云々、と言われなくてすむ。

はてなブックマーク

と、今はこういう状況ですが、はっきりいって、このような考え方をする人はブログを楽しむ素養に欠けていると言わざるを得ません。ブログの楽しみはもっと属人的なものなんです。たとえば、ブログを書いている人の性別に関する風評を見ただけで動揺してしまうようなところに一番の楽しみがありますし、そのための環境も整いつつあります。
最近新しくできたはてなブックマーク、これはソーシャルブックマークとか言ってて意味わからん、と僕も思っていたのですが、実はTBやコメント欄、もしかするとmixiをもしのぐ隠微なコミュニケーションツールでした。ベーシックなところでは、ブログ主への返答を要求しないコメント欄として利用できますし、WEB拍手(面白かったときに押すボタン)の替わりにもなる。
(ブックマークしたって、ブログ主には伝わらないだろう、と思っているかもしれませんが大丈夫、それがもしはてなダイアリーの人だったら一日に十回は自分の日記が新しくブックマークされていないか確認しているはずです。僕はこの辺の機能をまとめてはてなインセンティブと呼んでいます)
それだけなら今まで他にあったサービス以上でも以下でもないただの代替手段ですが、ブックマークは他人のものも確認できるという利点があります。これにより、日記やアンテナを見ているだけではわからない、生活時間帯や普段見ている場所などの情報まで伝わってしまう。
これは人に聞いた話ですが、あるところにAというブロガーがいて、また別のBというブロガーがAブログのエントリーを八割以上の確率でブックマークしているので、彼は"嫉妬"した、と言うのです。
このように、ブログというものは基本的に愛と名誉で駆動されてきており、今もなお更にまた高機能なそれが出てきているんだから、お金なんてどうでもいいじゃないか! まぁたしかに他の媒体から価値のあるものが移動する先のメディアとして評価するとそういうことになるんだろうなぁとは思いますが、別にはてなブックマークで嫉妬するとか超普通だし、全然キモくない……。