小説について

を見てて思い出したんですが、僕の好きな面白い、笑える(funnyな)小説を書く小説家といえば、清水義範さんです。
母親の学生時代の友人に、東京で編集の事務所?をやってるSさんという人が居て、僕が物心つく前から年に何回か実家に遊びにきてました。Sさんは生涯結婚するつもりがなかったので、僕の弟が生まれたときに、「養子としてもらえないだろうか?」とうちの母親(mom)にもちかけたそうです。そんな事が可能なのかどうか良く分からないですが、当時の我が家ではそれなりに真剣に検討されたらしく、最終的には弟本人(恐らく幼稚園に入る前)に聞いて見たところ嫌がったのでその話は立ち消えになったそうです。弟はこの話を全く覚えていなかったのですが、中学時代に親に聞かされて少し反抗期が激しくなりました。
そんなわけで弟の両親不信の遠因でもあるSさんが我が家に持ってきた本が「蕎麦ときしめん」で、これが僕がはじめて読んだ清水義範さんの小説です。タイトルにもなっている「蕎麦ときしめん」という作品は、名古屋に単身赴任になった東京のサラリーマンが名古屋の不思議さについて(いい加減な)論文形式でまとめた、という設定の小説です。その中に、「名古屋人の中にある日本地図」というのが出てきて、上の馬鹿日本地図に非常に良く似た事が描かれていたなぁ、というのをぼんやりと思い出しました。確か、関東地方がアメリカで、千葉半島はメキシコ、平均的な名古屋人は四国の存在を知らない、とかそんなだったような。
清水義範さんは確か小学生の作文教室を長い事やっていた関係なのかどうか、プロではない人の創作について触れた作品が沢山あって、「発言者たち」ははっきりそれに焦点が当たってます。他にも、定年後に暇を持て余した老人達が連作小説を書くという設定の短編なんかが凄い面白かった。小説を書く人から創作しているというか。たとえば、電化製品の説明書にある変な面白さを抽出して物凄く面白い架空電化製品の説明書風小説を書いたりってな感じです。
うわ、下手な文章だな。二時間以内にしようと思ったらもうやめないといけないし…。最近は西原理恵子さんと組んでエッセーぽい物を書いたりしてらっしゃるみたいですけれども、昔のパスティーシュって言われてたころの作品は今読んでも面白いと思います。多分BOOK OFFに百円で置いてあると思いますので、是非。